西太后は清の咸豊帝妃で、清末期の権力者です。満州・旗人(鑲藍旗人)の葉赫那拉氏の出身で、慈禧太后などとも呼ばれています。
彼女は女帝である前に一人の女性として、美や食に対する執着が強かったといわれています。巨大な財力をバックに、美しさと美食を追い求めた結果、晩年になっても肌は滑らで、背筋も伸びていたそうです。
故宮博物院宮廷部の専門家によると、西太后は美を至上のものとして愛していたが、自身の肌質はあまりよくなく、顔には吹き出物が出やすかったといいます。にもかかわらず、
彼女が年齢を重ねても常に少女のような白くみずみずしい肌を保つことができたのは、工夫や研究を凝らした化粧品を使い、漢方薬を服用していたからです。彼女が常に使用していた化粧品の「玉容散」はスズメ、鳩、雄の鷹の糞を含んだものですが、これらの糞には、シワ防止やニキビ痕の回復の効能があったのだそうです。
美への執着が強かった西太后は、美容に漢方も取り入れていました。洗髪用の漢方薬、服用の漢方薬など、さまざまな薬を作らせたそうです。「長春益寿丹(ちょうしゅんえきじゅたん)」という32種類の漢方薬をブレンドした服用薬は、毎朝温かい塩水で飲むと健康を保つことができ、若返り、長寿の効果もあったと伝えられています。
そんな彼女ですから、門外不出、皇帝のみに許された秘草「白鶴霊芝草」にも関心を持ちました。そこで宮廷御用達の薬師『同仁堂』に詳しく研究させたと伝えられています。同仁堂を営んでいたのは、明王朝の時代から続く歴史ある漢方薬師、楽家です。8代にわたる中国歴代皇帝のもと、およそ188年の長きにわたって宮廷御用達として仕えてきました。
西太后は同仁堂の研究成果から、白鶴霊芝草をお茶にして飲んだり、入浴剤として使ったり、肌に塗ったりと、熱心に使用したと伝えられています。
抗腫瘍作用、抗酸化作用をはじめ、様ざまな健康効果が期待される「白鶴霊芝草」ですが、近年、白鶴霊芝草は美容の面にも効能があることがわかってきました。
美容の大きな敵となるのは、肌に悪影響を及ぼす乾燥や老化です。これらの原因は、活性酵素による身体のサビであることが少なくありません。
「白鶴霊芝草」は、抗酸化作用が強いことが報告されています。つまり美容の面で、老化や乾燥を防ぐ効果が期待できるというわけです。また美容成分として知られるコラーゲンの産生を促進させる作用が確認されたほか、シミやそばかすの原因であるメラニン色素を抑制する作用もあることがわかっています。
美にこだわった西太后。さすが先見の明があったということなのでしょう。